大航海時代
2025年4月10日 20時11分んっ?これは?
ああ、年度初めの身体測定ですね。「勝った」「負けた」とかいう子どもたちの声も聞こえます。自分の成長が一番実感できるときです。6年生などは、少しずつ大人に近づいていることを感じているのかもしれません。
んっ?これは?
ああ、理科の振り子の実験ですね。ルネサンス期の天才物理学者ガリレオが発見した「ふりこの法則」についての勉強です。そうなんだ・・・この勉強は小学5年生の最初にしてるんだ。まあ、閲覧者の方々のなかには「天才物理学者ガリレオ」という言葉を目にした瞬間「別のある人物」のことを連想してしまった方もおられるかもしれません・・・。
「ふりこが振れる時間はずっと同じなんですよ」って言われても「あの、すみません・・・それのどこがどう大発見なんですか?」と私(ブログ執筆担当)だって思ってしまいます。そこで、先生は、子どもたちを三間小の玄関にある「ふりこ時計」のところに連れて行き、説明。現代の時計は、ガリレオの発見をもとに発明されたんだそうです。なるほどね、それはたしかにすごい!
ただ、その法則を証明するとなると、「きっちり」やらないといけません。徹底的に証拠を固めて、「さあ、これでどうですか?ぜったいまちがいないでしょ?」と言えるようにしないといけません。それが実験ですね。きちんと条件をそろえて・・・今日は、実験の練習です。
おっ!この目つき!いいじゃないですか! たぶん、子どもたちのこんな「生き生きした姿」を栄養にして生きている人たち、それが「学校の先生」なのではないでしょうか? ねえ、きっとそうですよね、先生方?
ルネサンス期は、同時に大航海時代でもありました。図らずも、今日の給食は、大航海時代の産物である「カレー」。世界中でアレンジされ、もはや日本の国民食にもなっています。ガリレオもカレーを食べたのかな? それでは「表現モード」を切り替えて、実験をする子どもたちさながらに「本気で」カレーに立ち向かうことにしましょうか・・・。
まず、スパイシーな香りに軽い違和感を覚える。これが本当に学校給食のカレーなのか?スプーンを口に運ぶと甘い。しっかりと甘い。そのあたりは確かに給食のカレーだ。甘さは明らかに玉ネギのものだが、給食献立表を見るとリンゴも入っているようだ。コスト面で難しい判断にはなるが、味にふくらみや立体感を持たせるためには捨てがたい部分だったのだろう。ほどよい「酸味」も感じるのだが、すっかり動揺してしまっている私の舌では、それがなに由来のものかは、もはや分からない。
ジャガイモ。確かにこのサイズ感がベストだ。この「スパイシー&スイート」なカレー、実は「みま米」だからこそ成立しているのではないか?米がスパイシーなカレールーに全く負けておらず、むしろお互いが引き立てあっている。これは、きっと給食関係者が「攻めた」結果なんだ。カレーとは、あくまでも「スパイス料理」であり、それ以上でも、それ以下でもないことを、食育として主張しようとしてるんだ。
アメリカンサラダ。この料理、フライドオニオンやポテトチップスをトッピングにして、それらの食感も楽しむものだが、なるほど、ここで入っているのはポテトチップスだな・・・。
違う!思っていたのとはぜんぜん違う!食感を感じるのは、ポテトチップスではなくて、むしろメインの具材であるキャベツやブロッコリーの方だった。具材を固めに茹でて、食感と栄養素を同時に残そうとしている。私としたことが、完全に意表を突かれた。だが、もはや「高級食材」の部類に入ってしまったキャベツやブロッコリーをこのような形で楽しめるのは、実にうれしいかぎりだ。だから「やられた」というより、「よくやってくれた」という何とも心地よい気持ちになる。
こうなったら、正直に言わなければなるまい。そう、こいつがずっと楽しみだったんだ「お祝いデザート」。さて、中身はどんなものか・・・。
おっ?イチゴゼリーにバニラクリームときたか・・・。うーん、私が思っていたのとはちがう・・・。
だが、イチゴゼリーの甘酸っぱい味にバニラクリームが絶妙にマッチし・・・。この後口?・・・これは、インド料理の名脇役、発酵飲料「ラッシー」を連想させる・・・。そうか!このスパイシーなカレーに合わせるなら、牛乳ではなく乳酸菌飲料を用意したいところだ。だが、それが不可能となると・・・デザートをもって「甘酸っぱさ」を加えるしかないことになる。いや、もしかして、「入学式のお祝い」と「味の追加」を同時に成し遂げるつもりだったのか?もしそうなら、これはただ事ではないぞ。この一連の現象の連鎖を、物理学的表現を使い「ラッシー効果」と名づけ、解明していく必要があるだろう。
(ようやく表現モードをリセットして)さすがに、この「カレー給食にお祝いデザート」なら、まだ給食2日目の1年生でも、余裕で全員完食。しかも、給食時間に後片付けまで終わっていました。
おっ!「もう歯みがきまでしてますよ」と言わんばかりの様子で、撮影担当者の方を見ている子までいます。はい!その笑顔、おもいっきり花丸です!100点満点、いや1000点満点です!今からも、こんな笑顔がいっぱい見られるといいな・・・。
1年生の下校指導。さすがに米どころ。田んぼの中を通ることもあるんですね。登下校に慣れない1年生にとっては、ちょっとした「プチ航海」といったところでしょうか?
ついに雨になりました。中・高学年は、傘をさしての下校になりました。
恐らく、太古の人類にとっては、危険の多い雨天時に、野に出ることはほとんどなかったでしょう。食料不足のためなどで、やむなく出る場合は、幾多の危険を冒す必要があったのでしょう。
変化が激しく、不測の事態がいつ起こるか分からない現代に生きる私たちは、未知の世界に漕ぎ出した大航海時代の人たちや太古の人たちと同じ状況に置かれているような気がします。そうでなくても、人は、いつか必ず大きな「人生の航海」に乗り出すものです。いや、子どもたちは、日々、「小さな航海」を重ねながら、波にもまれながら、成長しているのかもしれません。そんな子どもたちの舟を、そっと押し出してやったり、静かに追い風を送ってやったりすることが大人たちの一番大事な務めなのかもしれませんね。